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インタビュー

お話の作り方

——そのお話を考える事についてですが、毎週、どうやって考えているんでしょうか?
そうですね…。
では、手順を
1)レース結果を見る
2)1週間さかのぼってスポーツ新聞を読む。どういう経過でレースに挑んだか、今週何があったかをチェック。追い切りが良かった悪かった、馬主さんの発言、調教師の発言、騎手の発言。で、この馬は気が荒いとか、この馬はおとなしそうだということを調べて、じゃあ、その馬はどうして勝ったのか、どうして負けたのか、ここを捏造するんです(笑)。

ものすごく体重が減っていたら、何か食欲がなくなることがあったのかとか。
こういう話を描こうと思って調べるのではなく、調べているうちにこういう話だったのではなかろうかと浮かんでくるわけですね。
だから、スポーツ新聞や競馬雑誌は、それなりに読んでいます。
——そういう過程ですと、複数の話を思いつくこともあるのでは?
たまにあります。
この馬でいこうかなーと思ってたら、4コマで落ちがついちゃってボツってこともありますよ。
最終的に漫画になる話は、自分の中でココを膨らませれば、4Pになりそうだなって感覚があるんですよ。これは流石に何十年もやってると、だんだん勘が利くようになってきて。迷うことももちろんありますけど、結局、4P分にまとまるのは一本ですね。
小ネタはたくさんありますけど。

土曜のレースは描けないこともありますし、交流G1とか、障害戦はこぼしている話がいっぱいあります。
どの重賞も魅力的なんですけど、考え出すとキリがないので、心を鬼にして一番大きなレースをテーマにしますね。
時々、同格のレースがありますよね、それは迷うことがだいぶあります。東西で同格のトライアルレースとか、土日で同格とか…。
でも、それを両方考えていると脳みそが、いっぱいいっぱいになっちゃうので、早い時点でどちらかを捨てますね。
もったいないなぁと思うことも、もちろんあります。凄くあります。
——ファンの方には、障害レースや地方競馬のネタも読みたいという意見が少なくないようですが。
それはですね、凄くハッキリした理由がありまして、やっぱり資料が足りないんですよ。レースに至るまでの報道が手に入りにくいので、話が作れないんですよね。
交流G1なんかは、比較的情報が多いんですが、それでも各馬の前走、前々走の情報になると…だから、話を作るのがかなり難しいんです。
それと写真資料なども、あまり入ってこない。
こういったわけで、最初から切っている部分はありますね。
私の反省点ではあります。

それと、一つには私が中央競馬のファンだっていうのも(笑)

あとは私の頭が、中央競馬のスケジュールに慣れていて、週間・年間がそのリズムで考えてる。そこに別の流れを入れてくるのは難しいかなぁと。
ご要望がありますし、私ももったいないと思うんですが、実際に漫画にするとなるとなかなか。

私が現地に住んでいれば描けるのかもしれませんね。
ばんえい競馬なんかはすごく好きですし、そういうのも描ければと思うんですけどね。
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