2 赤玉蜀黍

赤いとうもろこし
雷除け

 江戸時代、文化年間(1804年〜1818年)頃より、浅草寺の四万六千日(7月9日、10日)に、「雷除け」として、赤いとうもろこしを売る市が立つようになった。この時期特有の天災である雷は、地震火事と合わせて江戸の町に大きな被害を与えており、町人の不安の種だった。その昔、落雷のあった農家で、赤いとうもろこしを吊るしていた家だけが無事であった事から、功徳のある四万六千日の縁日に限り、雷除けとして売られるようになったという。
 ところが明治初年、不作が原因でとうもろこし売りは一店も出店出来なかった。その年参詣客の要望で、浅草寺が雷除けのお札を出した。とうもろこしの代わりには、同様に赤く、多くの実がなるほおずきが売られるようになり、今では盛大な「ほおずき市」として、全国でも有名である。

桑原

 雷が鳴るとき「くわばら くわばら」と唱えると、落雷しないというのは「桑原」が、雷神となった菅原道真公の所領の土地だったため、一度も落雷した事ない地という言い伝えから、落雷を防ぐ呪文になったと言われている。
 雷の語源は、「神鳴り」。雷除けは災害除けというだけでなく、天の神様の怒りを落されぬよう、畏れて祈るためのものだった。お守りやまじないは昔から多く、雷の正体が知られた今も、変わらず求められている。

[コミックス1巻]