サメの歯の化石
紀元60年、キリスト教伝導中の聖パウロはひどい嵐に遭い、マルタ島に着いた。その時毒蛇に咬まれてしまった。
聖人を咬んだマルタ島の毒蛇は、以後毒を失い無害になったといわれている。
その伝説により「毒を追い出す」力を持つとされるこのお守りは、「聖パウロの舌」と呼ばれ、今もイタリアを中心にヨーロッパ各地で売買され、身につけられている。
実際は、先史時代のサメの歯の化石を、岩から切り出し、磨いたもので、日本でも山中の岩から産出され、「天狗の爪」と呼ばれ、宝として納める神社や寺もある。
「聖パウロの舌」は中世ヨーロッパで横行していた毒殺の恐怖から、身を守る術として王侯貴族の間に広まった。
13〜18世紀のヨ−ロッパのほぼ全ての宮廷で、毒消しに使用されていたという。
その方法は、お守りをたくさん吊した樹のような飾りを置く、ワインに直接浸す等。その元で宴の主人が毒味をし、客人にワインに毒が入っていない事を説明する。
酸化の有無を試す、ワインテイスティングの作法はこの儀式の名残りである。
パウロは元はキリスト教を迫害していた。復活したイエスに出会い視力を失ったが、信者の祈りでまた見えるようになり改心し、以後伝道に努めた。(「目から鱗が落ちる」の語源)
[コミックス1巻]
